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匠(技術者)の紹介

機械加工 中岡 元春

仕事内容

テーブル、サドル、ベッドの基準面、コラム等のベースとなるものの荒加工、テーブル、サドルの仕上げ加工(使用している機械:当社門形フライス盤YZ-1121ATC、プレーナー)

こだわり/心がけ

道具へのこだわり

仕上げ精度への強いこだわり。中岡の仕事ぶりを見ているとそれを感じる。きっと加工の方法や段取りにそのこだわりが注がれているんだろうと、何にこだわっているのかを聞いてみた。すると、意外な答えが返ってきた。

「こだわりはこのハンマー。40年間(注1)この重さのもんだけ使いゆう。人に借りたもんはしっくりこん」

このハンマー、何に使うかというと、仕上げ加工時にワークをたたいた感触と音で、均一な面に仕上がっているかを判断するのだそうだ。同じハンマーを使い続けるのは、ミクロン台の違いを判断するための明確な基準が必要だから。道具にこだわる才能、これが質の高い仕事を支えているのだろう。

信じるのは「自分の手」

機械加工の段階から厳しい公差で仕上げていく、これが当社の方針である。そのため、中岡が心がけていることは、「素手で最終確認すること」なのだという。仕上がり具合を見るための測定を確実に行うためには、測定面に少しの埃も残してはいけない。

しかし、鋳物の切粉はエアーで吹いたぐらいでは完全に除去することはできない。だからこそ、最も感覚が強く信頼のおける「素手で丁寧に撫でて初めて正確に測定できる」という中岡なりのこだわりにも納得だ。

鋳物の粉で真っ黒になった中岡の手のひらには、自分を信じる職人としてのプライドと、製品ひとつひとつを大切にする温かみが宿っている。

技能

職人の持つ技能は、「40年以上の経験でからだに染み付いたもの」「(注2)手先の感覚やったり、数字では表せんもん」ばかりだという。「(注3)ひと言で言うたら勘やね」中岡は涼しい顔で言った。

だが、この「勘」あってこそ、どんな難しい調整が必要なときでも一定の精度でものを仕上げられる、安心感のある「職人」といえるのではないだろうか。「(注4)大事なもんはひらめき。経験も大事やけど、色んな加工に対応するにはひらめきがないと」と中岡は言う。「ひらめきって単に思いつきみたいに(注5)思われゆうけど、努力あってこそのもん」その力強い言葉に、40年を超える中岡の技術者としての積み重ねを感じた。

ものづくりへの想い

(注6)挑戦し続けないかん」―中岡は、ものづくりへの想いをこう語った。加工に対する確固たる自信を持った中岡からこんな言葉が出るとは。

(注7)これで良(え)いというもんはない。もっと良(え)いもんができるかも知れん、いつもそう思うて加工しゆう」

「何のために?」などと聞いたりはしなかった。聞かなくても分かる。中岡の言葉の奥に、「もっと良い製品を」と期待し続けてくれるお客様の姿がはっきりと見えたからだ。

<方言注釈>
注1:この重さのものだけ使っている。人に借りたものはしっくりこない。
注2:手先の感覚であったり、数字では表せないもの
注3:ひと言で言ったら勘だね
注4:大事なものはひらめき。経験も大事だけど
注5:思われているけど、努力あってこそのもの
注6:挑戦し続けないといけない
注7:これで良いというものはない。もっと良いものができるかも知れない、いつも思って加工している
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